地震の予測方法について

測量工学的
アプローチによる地震予測

みなさんがよく耳にする「地震予測」とは、過去の地震記録を基に未来を占うものです。しかしそれでは、「これまでに大地震が発生していない地域」ではいつどんな危険が迫るか予測することは不可能です。
一方「MEGA地震予測」では、国土地理院が設置したものに加え、NTTドコモの協力を得て独自に電子観測点を設置。人工衛星により、絶えず動き続ける日本全国の地表をリアルタイムで観測し続けることで、“地表の異常を検知”し、大地震の発生を予測しています。
つまり、従来の「地震予測」が“過去”に焦点を当てていたのに対し、「MEGA地震予測」では“現在”に焦点を当てているのです。これを医療に置き換えるなら、過去の病気から未来の病気を予測するよりも、現在の体調から未来の病気を予測する方が精度は高くなるとJESEAは考えています。
この測量を主体としたアプローチによる「地震予測」を確立したのが、「MEGA地震予測」の生みの親であり、世界の測量工学界をリードしてきた村井俊治 東京大学名誉教授です。
JESEAは地震の前に現れる「地表の異常変動」を三次元的に処理・分析して地震の予測をしています。1週間単位の変動と年単位による変動を多角的に比較・分析し、「異常変動」を検知した場合には、わかりやすく、画像を交えた情報を提供しています。

その情報の配信先がアプリ「MEGA地震予測」です。
未来のことは誰にもわかりません。だから私たちは常に、“いま”と真剣に向き合う必要があります。
それは「地震」についても、同じことが言えるのではないでしょうか。

  • 電子基準点とは

    電子基準点は現在、日本全国に約1300箇所あります。ひとつの機関が管理する数では世界一であり、他に類を見ない日本が世界に誇る観測網です。その精度の高さが「MEGA地震予測」の予測システムを支えています。

    電子基準点とは

  • NTTドコモの実験協力

    NTTドコモとJESEAは、災害時に発生する通信障害からの早期復旧を目的に、パートナーシップを結んでいます。現在、ドコモの携帯電話基地局16箇所に電子基準点を設置。リアルタイムで地表の状態を共有しています。

    NTTドコモの実験協力

5つの観点から地表を分析し、
地震を予測

「MEGA地震予測」では、5つの観点から地表を総合的に判断し、地震予測を行っています。

これらの異常変動に関する分析結果は、わかりやすく、グラフや画像を交えた解説とともに、アプリ「MEGA地震予測」を通じて、発信しています。

週間異常変動を用いた方法

週間異常変動を用いた方法

1週間以内に起きた異常変動を「週間異常変動」と言います。
地表は上下左右に動くため、高さだけでなく、水平移動についても確認が必要です。その結果、異常な変動を起こしたエリアの範囲が広いほど、大きな地震につながる可能性が高い傾向にあります。

隆起・沈降を用いた方法

隆起・沈降を用いた方法

約2年間、長期にわたる高さの変動(隆起、または沈降)を分析。
その動きをグラフでチェックし、傾向を分析しています。
「隆起から沈降」あるいは「沈降から隆起」に変化しているのか、またその動きは急激なものかどうかなど、さまざまな観点からJESEAは調査を実施しています。特に沈降が進行している場合、地震発生に繋がるケースが多く、注意が必要です。

水平ベクトル異常変動を用いた方法

水平ベクトル異常変動を用いた方法

水平ベクトルは4週前の日付を基準にして水平方向の変動を矢線で表したものです。
矢線の方向が変化する地域は、水平方向成分が急変しており歪みが貯まっている地域を意味しますので着目して地震予測の診断を行います。

累積変位を用いた方法

累積変位を用いた方法

常に地表は、ゆっくりと動き続けています。その変位(移動)が一定値を超えてしまうと、大きな地震につながるケースがあります。「MEGA地震予測」では、一定値=閾値(いきち)を設定し、地域ごとに変位がその数値を超えていないかを、日々監視しています。つまり、週間異常変動、隆起沈降が発生していない場合でも、「累積変位」による分析によって、地震の発生する地域を特定できる可能性があるのです。

東西変動図、北南変動図を
用いた方法

東西変動図、北南変動図を用いた方法

「東西変動図および北南変動図」とは、東西方向成分および北南方向成分に分けて、その大きさを色によって可視化したものです。
色が急激に変化している地域は水平方向の歪みが貯まっていることを示しています。つまり、要注意の地域と言えます。

村井教授インタビュー